新しい治療法への期待

がん治療は医療業界における最大の課題の一つであり、医療従事者として病院に勤務することになると必ず触れる機会があるものです。手術によって取り除いたり、医薬品を使用した化学療法が実施されたりといった形で、多様な治療法が個々のがんに対して開発されてきています。しかし、がんの進行を抑えることができるというのが精一杯である場合が多く、完治させられることはそれほど多くないのが実情です。そのため、常に新しい治療方法の開発が進められている状況にあります。治療法として確立されてきたものとして、比較的新しい部類に入るのが遺伝子治療であり、遺伝子に対する研究が進められたことによって浮上してきた新しいコンセプトにもとづいています。高い期待がもたれてはいるものの、まだ新しさが拭えないことから実施例がそれほど多くはなく、安全性や有効性について十分な知見が得られていないというのが現実的な問題です。しかし、遺伝子を組み替えることでがん治療を行うという新しいアプローチであるために、外科手術や化学療法といった既存の治療法を併用が可能であるということは魅力的な点となっています。そのため、患者側からの求めとして遺伝子治療を行って欲しいという要望を受けることも増えてきており、実際に治療が行える医療機関に転院するということも珍しくなくなってきました。がん患者からすれば少しでも望みのある治療であれば受けたいというのが事実であり、遺伝子治療はより患者側から注目されているのです。